2020年1月8日水曜日

続・HPLC分析のコツ(6) サンプルビンへの吸着

標準試料を用いて検量線を作成する際、直線性が悪くなることがあります。この原因には、セルの汚れ、脱気不足、ニードルや配管への目的成分の吸着など、様々考えられますが、見落としがちなもとのの一つとして、実験器具への目的成分の吸着があります。

例として、アフラトキシンB1、B2、G1、G2をトリフルオロ酢酸(TFA)により水酸化対に誘導体化させて蛍光検出した場合を取り上げます。

■TFA誘導体化の手順
・0.5、1.0、5.0、10μg/Lの1.0mLアフラトキシン混合標準試料をそれぞれ作成
・アフラトキシン混合標準試料を45℃以下で窒素気流を用いて、濃縮、溶媒除去
・0.1mL TFAを加え、密栓して激しく攪拌後、室温・暗所で15分間放置
・0.9mL 超純水/アセトニトリル(90/10)を加え、攪拌後、HPLC装置へ注入

図 アセトニトリル処理前と処理後のクロマトグラム

用いたサンプルビンに対して、アセトニトリルで洗浄処理したものを用いたところ、ピークが洗浄未処理のものと比べて大きくなり、直線性が改善しました。このように、サンプルビンへの目的成分の吸着を防ぐことで、より正確に測定を行うことが可能になります。

2017年6月7日水曜日

Chirality2017 ISCD-29

日本分光は、キラリティーに関する国際学会 Chirality2017; ISCD-29 2017年7月9日(日)~7月12日(水) において、発表と装置の展示を行います。

皆様のご来場をお待ちしております。

Chirality2017; ISCD-29 公式サイト

会期 2017年7月9日(日)~7月12日(水)
会場 早稲田大学国際会議場
主催 Molecular Chirality Research Organization, Waseda University

発表内容や展示装置につきましては、下記のサイトをご参照ください。

Chirality2017; ISCD-29 出展案内

【関連情報】

ORD・CDの基礎  

  1. ORD(Optical Rotatory Dispersion)、CD(Circular Dichorism)測定の原理
  2. 旋光度測定
  3. ORD、CD測定の特徴
  4. ORD、CD測定の応用例
  5. 一滴測定とストップトフロー法
  6. 旋光計の光源と特徴
円二色性分散計について




2017年3月13日月曜日

分析装置のソフトウェアのWindows 10対応について

 日本分光の液体クロマトグラフ用ソフトウェアChromNAVとスペクトロスコピー用ソフトウェアSpectra Managerは、Windows 10対応は完了しています。

 しかしながら、現時点におきましては、Windows 10とともに提供を開始することを見合わせており、Windows 10に対応につきましては、個別にご相談を受付させて頂いています。詳細につきましては下記の案内をご参照ください。

弊社ソフトウェア製品のWindows 10対応について(2)

これまでのWindowsとの大きな相違点

 Microsoft Windows 10は2015年7月29日(日本時間7月30日)にWindows 7 SP1版およびWindows 8.1 Update版のユーザー向け無償アップグレードプログラムと同時にリリースされました。

 Windows 10はこれまでのWindowsとは異なり、Windows as a Serviceという新しいコンセプトの元に販売されています。これまでのWindowsでは、大きなバージョンアップがあるたびに、新しいWindowsがリリースされてきましたが、Windows 10においては、WindowsのアップデートはWindows Updateを通じて無償で行われるようになりました。つまり、Windows 10はWindowsの最後のバージョンであり、Windows 10という名前のまま、デザインが変更されたり、機能が改善されたり、新しい機能が追加されたりするなど、仕様が変わっていくことになります。

Windows 10アップデートについて

 Windows 10がリリース後、2015年11月13日(日本時間11月14日)に初めての大型アップデートがありました。このとき、プロダクトアクティベーション方法(認証方法)がリリース後に変わるなどして、多少の混乱がありました。

 2016年7月28日(日本時間7月29日)に、前述の無償アップグレードプログラムが終了し、2016年8月2日(日本時間8月3日)に2回目の大型アップデートがあり、Windows 10 Anniversary Updateの提供が始まりました。このときインターネット上で、アップデートがうまくできなかったり、Windows 10がフリーズしたりするなど、何らかの不具合が生じたというユーザーからの報告が多数ありました。Microsoftもサポートサイトで対応を行っています。

 このようなトラブルが仕事で使用しているパソコンで生じると大変です。実際、JASCOKUNが使っているWindows 10 パソコンもアップデートで動作不良となり、ちょっと困ったことになりました。しかしながら、アップデートはいつかはしなければなりませんし、放置しておくとセキュリティの問題も生じてきます。

 Microsoftは今春3回目の大型アップデートを予定しており、Windows 10 Creators Updateの提供を行う予定です。既に先行評価版(Insider Preview)がリリースされています。

 Creators Updateという名前からも判断ができるように、このアップデートでは、3D表示、バーチャルリアリティなどのゲーム機能が追加されています。また、セキュリティセンターが追加されたり、プライバシー機能が強化されるなどしています。

 ユーザーインターフェイスにも若干の変更があり、スタートメニューからコントロールパネルの項目がなくなり、メニューからはWindows 10の設定しか呼び出せなくなりました。Internet Exploreの項目がなくなり、Edgeに変更となっています。さらに、DOSプロンプトがなくなり、PowerShellに変更となっています。これらの機能はメニューから呼び出すことはできませんが「ファイル名を指定して実行」で直接コマンドを入力すると起動することはできます。通常の利用では大きな問題はないかもしれませんが、ソフトウェアを導入したり、Windowsの設定を変更する際には戸惑うかもしれません。

 さて、日本分光のChromNAV、Spectra ManagerのWindows 10 Creators UpdateのInsider Preview版での作動は確認できていますが、Windows 10 のアップデートの際に、アップデートが正常に行われなかったり、Windowsが正常に作動しないなどの問題が発生すると、仕事を止めてしまうというリスクがあります。
 
 Microsoftは2月に予定されていたセキュリティアップデートを1部のユーザーで問題が生じる可能性があるとしてリリースを延期しています。

 このようなことから、日本分光ではWindows 10 Creators Updateの提供が開始されるまで、Windows 10の提供開始を見合わせております。ただし、上述の通り、Windows 10の対応については、個別にご相談に応じさせております。Windows 10対応に関するお問い合わせにつきましては下記をご参照くださいますようお願い致します。

弊社ソフトウェア製品のWindows 10対応について(2)








2017年1月27日金曜日

Jasco Report Vol.59 No.1 発刊

Jasco Reportは、日本分光が発行している技術機関誌です。
様々な分野で活躍されている方々に書いていただいた記事を収載しています。


このたび、Jasco Report Vol.59 No.1を発刊いたしました。今回のJasco Reportには、以下の記事が収載されています。

[FTIR、Raman]
  • 顕微ラマン分光光度計で観るGaNの共鳴ラマン散乱
  • フーリエ変換赤外分光法を用いた水分解用光触媒における助触媒のポテンシャルのin-situ観察
  • 赤外・ラマン分光法を応用した地震時の断層滑り挙動の解明
[UV-Vis、FTIR]
  • 吸収および発光スペクトル分析を用いた宝石ダイヤモンドの鑑別
[HPLC、超臨界流体]
  • PITCプレカラム誘導化法を導入したHPLCによるヒト血中摂取コラーゲン加水分解物由来低分子ペプチドの検出
  • 高圧条件下の触媒的二酸化炭素変換とオペランド分光・可視化
  • EXTREMA-MSシステムの紹介
  • LC Application Notes EXTREMAによる第十七改正日本薬局方収載 バラシクロビル塩酸塩の分析(その1)
  • LC Application Notes 第十七改正日本薬局方に基づいたカンゾウ末中グリチルリチン酸の分析

Jasco Reportをお求めの場合は、日本分光のホームページより資料請求をお願いいたします。
http://www.jasco.co.jp/jpn/technique/jascoreport/index.html
ホームページでは、過去に発刊したJasco Reportの一覧を見たり、キーワードで検索することもできます。

2016年4月5日火曜日

平成28年度予算申請カタログ



平成28年度予算申請カタログを発行しました。日本分光で取り扱っている分析機器の概算価格を掲載したカタログです。科学研究費などの予算申請にお役立てください。

日本分光 平成28年度予算申請カタログ


本カタログはこちらのページの右上の資料請求ボタンをクリックするか、弊社サービスセンターまでご請求くださいますようお願い致します。