2012年1月23日月曜日

HPLC分析のコツ(1) ODSカラムの洗浄方法

▼はじめに

酢は体にいい。昭和26年生まれの母は、夏になると毎日、酢の物を作ってくれました。「夏バテには酢がいいんだよ、あんた」と言いながら私の気持ちもしらないでセッセと作ってくれました。おかげで結婚した今も、酢の物を見ると母を思い出してしまうのです。これはきっとパブロフの犬と同じ条件反射 conditioned reflex というのではないかと思います。
今回から始まったこのコラム、何も「宴会で飲みすぎた体に酢がいいですよ」という話をしようというわけではありません。ここでは HPLCを使う上で、

知っておいても損はしないノウハウのようなものを、

毎回取り上げていこうと思っております。少しでも役に立てれば幸いです。


▼カラムの洗浄
さて、HPLC分析のコツその第1回は、シリカ系ODSの洗浄方法についてです。特にナトリウム、カリウム等を含んだ緩衝液を移動相として使ったODSカラムを洗浄するとき、直接アセトニトリルやメタノール等の


有機溶媒を流すと塩が析出して流路やカラムが詰まることがあります。


かといって、


水を流すと、カラム内のpHが酸性や塩基性に変化することがあり、

カラムの性能を低下させることがあります。


こんなときは、移動相溶媒の塩を除いた移動相溶媒(有機溶媒と水の混合比は同じまま)に1%程度の酢酸を加えた溶媒でカラムを十分に洗ってください。と言うわけで、体にいい酢の話ではなくて、「ODSカラムの洗浄方法」でした。
そういえば、ODSカラムと一言でいいましたが、その耐久性や耐溶媒性などの特性は、カラムの種類や使用する溶媒の内容によって異なりますので、注意してください。
必ずご使用中のODSカラムの取扱説明書を確認してくださいね!